今日は、3Dクリアファイルのつくり方(4~最終回)「実機校正のご提出から、量産、出荷まで編」をご説明します。「3Dクリアファイルのつくり方」シリーズの最終回です。
前回は、3Dクリアファイルの前後関係サンプルの製作とご提出までご説明いたしましたが、その次の工程が実機校正です。お客様に前後関係サンプルを確認していただいてなんの問題もなければ、そのままのデータで、引き続き実機校正を行い、サンプルをご提出します。このサンプルは通常の印刷物でいう「校正」にあたり、本番印刷時の印刷見本になります。前後関係サンプルの段階で前後関係の入れ替えのご依頼や、クリアファイルの中で3Dを強調する部分のご指定をいただいた場合は、そのご依頼事項を反映するようにデータを修正してから、実機校正を実施します。3Dクリアファイルの実機校正は、すべて本番と同じ条件で行います。つまり、本番と同じ印刷機で、本番と同じ材料に、本番と同じインクと色数で印刷します。なので、でてくるサンプル(見本)は、本番と同じ3D感のものになります。なお、ご指定がない場合はシートの状態でご提出いたします。前後関係のOKから、実機校正のご提出まで1週間程度となります。
ご注意事項として、実機校正のあとは、前後関係の変更や、3Dを強調する部分の変更、つまり大幅なデータの変更には、改めて①前後関係の製作→②実機校正の実施の手順が必要になりますので、作業時間と追加料金が発生します。小規模なデータの変更、つまり前後関係の確認時に指示していただいた内容の方向性の中で、「もうすこし強調する」とか、「強調しすぎたので戻す」程度の微調整は実機校正後でも可能です。
お客様には事前にご説明をされていても、「やっぱり前後関係を変えたいな」とか、「(前後関係では言ってなかったけど)この部分をもっと出っ張らせてほしい」とか、この時点から「ああしたい」「こうしたい」のご要望がでることはよくあることです。ある意味しかたのないことであると思います。また、「実際に直したあとの状態も見たい」とご要望されるお客様も結構いらっしゃいます。実際にわたしが担当した案件だけでも、2回目の実機校正を実施した案件が2件ございます。この部分は、追加料金が発生するため、トラブルが発生しやすいポイントですので、2回目の実機校正をおこなうには追加料金(10万円)が発生してしまうことを事前にご説明しておくことは、とても大切であると思います。このような事例でお客様によくおこるお困りごととしては、納期がない中で実機校正をもう一度したい(通常1週間必要)、さらに悪いことに予算をみてなかったので、予算が下りるまで進められない・・・、困った困ったどうしよう(泣)というパタンです。こういった場合、実際には、上の人が気軽に言っただけ(もしできるならこうしてほしいけど、お金がかかるならやらなくてもまあいっか、程度)のある意味どうでもよい直し要望を、間に入った担当の方が過大に受け止めてしまって、悩まれていることがよくありますので、その辺は空気をよんで対応されることも必要かな?と、心の中で思ったりいたします。
さて、実機校正が校了となりますと、なるべく早い段階で量産に入ります。ともうしますのは、実機校正をした状態に近い状態で量産をすればするほど、より実機校正に近い状態で製品が出来上がってくるからです。実機校正から時間がたちますと、温度・湿度の影響でレンチキュラーシートがほんのちょっぴりずつ微妙に伸び縮みし、レンズピッチも微妙に変わってゆきます。このピッチの変化は人間の目で見るとわからない程度なのですが、精密な印刷精度が要求されるレンチキュラーシートの印刷では死活問題で、3D感、ボケ具合に大きな影響を及ぼします。伸び縮みしたシートを使いますと、実機校正で設計したデータでは対応できないため、レンズピッチを再測定し、データの再設計を行って(予算が許されれば実機校正を再実施して)量産開始することになります。お金と時間が無駄にかかりますのでできれば省略したい工程ですので、「良品製造のためには、すぐに量産開始」をお願いしております。
じゃあ、再版がかかった場合はどうするの?ということなのですが、この場合もレンズピッチを再測定し、データを再設計させていただいてから再版を実施します。再版時の再測定と再設計はサービスでさせていただいておりますので、お客様のご負担はとくにございませんが、再測定と再設計のため、通常の印刷物の再版よりもすこし納期がかかります。
はなしを戻しまして、量産ですが、レンチキュラーレンズへの印刷が終わりますと、引き続き、3D状態の検査工程、打ち抜き加工の工程、超音波溶着加工の工程・出荷前の検査工程を経て、出荷となります。この工程は、検査工程が1つ多くなることを除けば通常のクリアファイルと同じですので、製品は最短4営業日目から出荷となります(数量、アッセンブリーにより出荷日程が変わります)。
量産については「あれ、もうできちゃったの?」という感想をもたれるお客様が多いようです。3D商品は、3Dクリアファイルに限らず、入稿から見本だしまでの創りこみの期間のほうが手間も時間もかかる商品で、量産品を作り始めてしまうとあっという間の商品です。
以上、駆け足ではございましたが、5回シリーズで、「3Dクリアファイルのつくり方」をご説明いたしました。ざっくりとではございますが、入稿から納品までおよそ1ヶ月程度という目安であるということと、製作にあたっては、入稿データはフォトショップが使える方であればで簡単に創れる商品であること、前後関係サンプルでのチェックと刷り合わせが、後々の余計な出費の防止と納期の厳守において重要ポイントであることが、ご説明の要点です。
(20101231PPFACTORY桜木)


