製作裏話
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メガクリアファイルズ

おはようございます。

 最近、クリアファイル*種類を各1万部ずつください!というお見積もり、受注をよく拝見します。

クリアファイルA~クリアファイルGまでなど8種類作るときは基本的にシートにつけあわせをしてお値段を下げる努力をしているのですが

つける柄によっては、付け合せの段階でAとBの色が合わないなど問題が起きることがあります。

 

基本的に校正をする際に、A柄の部分とB柄の部分でエリア分けをしてインク量を調整してお客様のご要望にあうように修正しております。

そういった修正を繰り返すので一回の校正をすると、

 濃度調整、色調、絵柄のチェック(ずれる事はないので実際に見た感覚を再現できる)、本番印刷のスケジュール短縮

など、実物との相違を限りなくなくす作業になりますので「とりあえず出来れば・・・」とおもうより「想像したものがほしい!」というステップとして必要な工程ということを覚えておいていただけると各作業がスムーズに行えると思っております。

 

いろんなところで、パンクしている きじま がお送りしました。

こんにちは。いつもお世話になっております。

クリアファイル大好き人間【ppfactory】桜木です 。  

 

今日は浅草橋まで、3Dクリアファイルのご提案に行ってまいりました。

で、弊社の提案はさておき、

お客様が見せてくれた、今までの制作サンプルに大感激。

チェンジングなのですが、デザインバランスが大変によく、

レンチキュラーレンズの良いところをグイグイ引き出すデザインでした。

しかも、

数種類見せていただいたのですが、どのデザインもハズレなし。

コレはもうセンスの問題なので、こういう方もいらっしゃるのだなーと

大変関心いたしました。

弊社はデザインされた3Dクリアファイルを製造・量産するのにはカナリ自信がありますが、

3Dやチェンジングの発想と、それを生かしたデザインの制作には、

まだまだ努力が必要だなと、本日も思い知らされた次第です。

 

大変勉強になりました。

ありがとうございました。

 

20110510PPFACTORY桜木

こんにちは。いつもお世話になっております。

クリアファイル大好き人間【ppfactory】桜木です 。 

 

今日は3Dクリアファイルの立会い校正でした。

大阪からお客様が来てくださって、

色にこだわった立会い校正です。

 

3Dのクリアファイルですと、

レンズに印刷をするため、光の屈折により

見る位置によって色が変わります。

そこがドキドキなところなのですが、

このお客様は、3Dにたいへんお詳しく

その点はご理解された上で、

色のあわせを追求する立場を取っていただいたので、

製造一同進め易く、

とにかく迷わず一生懸命に、刷りだす事ができました。

 

2・3回調整させていただいて、

なんとか無事OKをいただき、

その後に、

お客様とお話しできる時間があり、

私の知らない知識を教えていただけたりして、

大変有意義に過ごすことが出来ました。

製造の部分はよく出来ているといっていただいて大変嬉しかったです。

また、弊社はレイヤーデプスを追求している反面、

発展途上である擬似フルデプスデータのデータ制作について、

今日お越しいただいたお客様はさらに進んだことをやっていらっしゃると聞き

大変興味深く、また勉強になりました。

本当にありがとうございました。

 

その後は、

わざわざ遠いところからお越しいただいたこともあり

何かお返しをしたく、

弊社の工場をお見せしました。

弊社の売りは特殊設備もそうなのですが、

なんといっても一番の売りは、不良品の検査と摘出体制です。

製造中にはじくだけでなく、

仮に不良が発生したときに、

どこのロットで発生しているかをさかのぼって確認できる仕組みを

どういう風に実現しているかを、

実際に見ていただきました。

 

今日は午前中だけで、こんなに嬉しいことがありました。

一生懸命やっていると、いいことがあるものだと、

改めて思いました。

 

20110509PPFACTORY 桜木

こんにちは。いつもお世話になっております。
3Dクリアファイル大好き人間【ppfactory】桜木です 。      

 

今日は3Dクリアファイルのお問合わせで、

「御社のクリアファイルの特徴は?」というご質問を受けました。

 

ので、弊社の3Dクリアファイルの特徴をまとめてみました。

 

1.インターネットで「3Dクリアファイル」と検索すると、弊社の制作した3Dクリアファイルが上位に表示されている。

 

 これって、弊社をご説明する時に、一番ココロにささりやすい情報みたいです。 

 

2.素材がPPであるので、価格が安く押えられる

 

 PETでつくられた3Dクリアファイルですと、素材単価が高いのと、硬いので折り曲げが難しく、

 L字溶着で対応する場合が多くなります(加工代がよけいかかるのと、納期が長くなります)が、

 PPFACTORYでは通常のクリアファイルと同じPPでつくってますので、その分安くて速いです。

 そこが喜ばれています。

 

3.厚みが0.33ミリ厚と0.43ミリ厚から選べる。制作料金同じで、裏面も3Dにできます。

 

 厚みで価格が異なります。厚いほうが3D感が抜群。さ・ら・に、厚いほうが表面だけでなく裏面も3Dに出来ます。

 制作料金は同じです。

 L字溶着タイプの3Dクリアファイルですと表面だけ3Dで、裏面は普通のクリアファイルと同じ場合が多いようです。

 

4.材料のレンチキュラーレンズから印刷、クリアファイル加工まで弊社工場で一貫生産

 

 国内で3Dクリアファイル用レンチキュラーレンズをつくっているのは弊社だけでございます。

 通常は米韓中からの輸入です。

 製造中に材料にエラーが発生したとき、輸入品だとすぐもってこれないのでつらいですよね。

 弊社では、工場に行けば在庫があります。そこが安心。

 

5.工場との直接取引

 

 代理店を挟まず、工場と直接お取引なのを喜んでいただいております。

 

6.都心から30分、埼玉県さいたま市で製造。

 

 近くなのが安心ですというお客様が多いです。

 

20110426PPFACTORY桜木

こんにちは。いつもお世話になっております。
3Dクリアファイル大好き人間【ppfactory】桜木です 。     

 

今日は3Dクリアファイル関連の新しいサンプルが上がったので、

早速ひいきにしてもらっているお客様の下へ。

新しいサンプルとは、3Dうちわであります。

3Dクリアファイルとは素材を変えて、PETでつくってみました。

折り曲げ加工がないので、硬さがGOO!なPETでGO!です。

PETのみの3D丸うちわ

PETの裏に紙を貼って、柄をつけた3Dうちわ

PETのみに柄をつけたタイプの

3種類です。

とはいうものの、価格をまだつけていないので、

ごくごく親しくしているお客様にお見せして、直しなおしで来月にはデビューさせたいと思っております。

 

3Dクリアファイルの本日の引き合いは、3件。

ほかに3DをつかったPOPの引き合いもいただきました。

皆様、本当にありがとうございます。

では今週も宜しくお願いいたします。

 

20110425PPFACTORY桜木

こんにちは。いつもお世話になっております。
3Dクリアファイル大好き人間【ppfactory】桜木です 。    

 

今日は3Dクリアファイルの引き合いは2件でした。

あまりもりあがりがない1日です。

 

さて、3Dクリアファイルは、クリアファイルの厚みが厚くなればなるほど3D感が増すのですが、

それと同じぐらい大切なのが、データの作り方です。

 

そのためには、どうして3Dクリアファイルが3Dに見えるのかの話をすると早いです。

実際の話は、3Dクリアファイルは、

そのクリアファイルを見た人が無意識に感じている3D感(奥行き、手前感)をデフォルメして極端にあらわすことで、

錯覚を起こさせているだけです。

つまり、もともと人間が奥行き・手前感を感じない絵柄のクリアファイルの場合、

たとえクリアファイルの厚みを厚くしたとしても、あまり3D感のない3Dクリアファイルになります。

そういう画像というのは、例えばコレ

http://item.rakuten.co.jp/bobosshop/10009500/ 

このクリアファイルで、人物を3Dに浮き上がらせるという場合は、大変難しいです。

逆に、こういうのはとても3Dになります。例えばこの3Dクリアファイル

http://www.neowing.co.jp/goods/goods_detail.html?KEY=NEOGDS-20777 

これは自信をもって、3D感のある3Dクリアファイルになります。

この3Dクリアファイルは、

人物と背景を上手く重ねあわせることで、前後関係を人間に意識させる工夫が出来ているので、

大変良い感じに3Dになります。

もしこれが、お互いに重なる部分がない画像になっていたら・・・、

3D感を出すのは結構難しくなります。

 

コレもとても良い感じです。3D感が出ます。

http://auok.auone.jp/item/item_302498238.html?_RC_SRC=PI,1 

この3Dクリアファイルの工夫は、背景の画像をぼやかして、遠近感を演出している点です。

この工夫を入れると、増幅される3D感は通常の3倍になります。

 

一番難しいのは、真っ白なバックとか真っ黒なバックに、人物が1人立っているという画像で、

これは非常に難しいです。

星空などは、星の位置の前後関係をずらし、遠くにある星をぼんやりとすることで、

ぱっと見た時は、奥行き間がない、

でもじっとよく見ると奥行き感のだんだん感じられてくる不思議な感じの3Dクリアファイルになります。

 

20110422 PPFACTORY 桜木

こんにちは。いつもお世話になっております。
3Dクリアファイル大好き人間【ppfactory】桜木です 。   

 

今日あったイイコトとしては、

定期化しそうな3Dクリアファイルの引き合いをもらったことです。

あした打合せにいってきます。

 

観光地などで売られる3Dクリアファイルなどが、

この種の商品になりやすいです。

 

同じ絵柄で2回目以降も反復して定期的につくる場合、

2回目からの制作費は、最低でも初回に比べて15万円ぐらい下がります。

 

今回の場合比較的少なめのロットでの反復を想定していらっしゃるので、

割高な価格になってしまうところ、

ご希望予算に合う形でのロットの設定のご提案

反復による初期費用の回収のにらみなどがテーマになりそうです。

 

で、もうひとつ仕掛けを考えて明日はご提案するつもりです。

初期部分の3Dクリアファイル(機能をひとつ減らして単価を安く設定した3Dクリアファイル)と、

単価が下がる反復時にご提供する3Dクリアファイル(フルスペックモデル)

の2段がまえでの商品設計を考えてみました。

 

さてさてどういう結果になるか?

とても楽しみです。

 

20110421PPFACTORY桜木

こんにちは。いつもお世話になっております。
フルカラークリアファイル大好き人間【ppfactory】桜木です 。  

 

今日は先日報告した、色合わせをしたい3Dクリアファイルの印刷立会がありました。

朝8時15分に駅までお迎えにゆき、8時半スタート、

色のあわせが3回ほどで、9時半、無事に終了することが出来ました。

3Dのクリアファイルは見るところにより色の見え方が変わるので、

色見本にあわせるということが結構想定外なのですが、

今回はタレントさんの画像とのことで、

特に顔の色、そして背景の空の色をポイントに、

データのつくりこみから色調整を意識した作業となりました。

3Dクリアファイルの本番印刷では、

本機校正でのデータを下に、レンズピッチに合わせた画像処理を行って、

本機校正よりもよりぐっとくるクリアな仕上りになるのですが、

今回は色も意識しての調整があり、有意義な作業をすることが出来ました。

これもお客様からの適切なアドバイス、的を得た情報提供あってこその作業ですので、

良いお客様にめぐり合えたと思います。

出来上がった3Dクリアファイル(の印刷シート)は今私のヨコに有り、

最初濃い目にビット出たところから、

徐々にマイルドに色変化してぴたりと来る課程がわかります。

とっても思い入れのある商品となりそうなこの案件、

是非最後まで気合を入れて、しっかりとした納品まで完了したいと思います。

 

お客様あっての、良い技術!

20110420PPFACTORY桜木

いつもお世話になっております。
フルカラークリアファイル大好き人間【ppfactory】桜木です 。 

 

今日は大阪のお客様の3Dクリアファイルの実機校正でした。

0.33㎜厚100LPIのシートで、3Dクリアファイル制作です。

薄い素材ですと目の肥えたお客様は「3D感が足りない!!!」とおっしゃるので大変であります。

しかも、どーんと3D感!!!というご要望をいただいておりまして、今回は実質的な再校

標準のやり方で初校を出しましたら、「まだまだ~!」とお叱りを受けまして、

ご協力いただいて背景を3Dになりやすくなるように変更していただいての再校です。

再校の提案(インキジェットプリンターでの前後関係サンプル)では、

「冒険心がたりないゾ、もっとあそびを入れましょう」とご指摘をいただいたので、

さすが大阪、豪快だなーということで、

1面は基本を守った形、

もう1面はちょっとおっかなびっくり冒険をさせていただいて再校を制作しました。

3D感を出すには思いっきり前に出せばいいのですが、

前に出せば出すほど画像はぼやけてしまうのが難点です。

「多少ぼやけても良いから、ぐっと前へ!」のご指示の元、

ヘンにならない限りで前にぐっと出し、

背景は眠い感じにぼやけさせて、3D感を演出しました。

 

3Dクリアファイルの基本は、

人間の目が3Dに感じる映像を、出来るだけデフォルメして表現することで、

3D感を増幅させます。

なので、もともと3Dに感じない絵柄は3D化が難儀になるのですが、

今回はお客様のご協力とご意見をいただいたおかげで、

初校に比べると、大分よくなった感じです。

 

明日お客様の手元に再校が届きます。

「OK!」といっていただけたら、大変嬉しいですし、

「まだまだ」といわれたら、ますますファイトを燃やして、

制作に励みたいと思います。

 

20110419PPFACTORY桜木

いつもお世話になっております。
フルカラークリアファイル大好き人間【ppfactory】桜木です 。 

 

現在進めている3Dクリアファイルのお客様は、大変クオリティにこだわりのある方です。

こだわりって、いいですよね!

あるタレントさんの3Dクリアファイルなのですが、

通常はタレントさんであっても、

3Dクリアファイルの場合は、通常のクリアファイルとは違い、

色を写真出力に近づけるというのは、難しいということでご遠慮をしております。

(通常のクリアファイルは、色合わせは当たり前のようにやっているのですが・・・。)

 

でも熱意に負けまして、色を写真出力に近づけるべく、いろいろ作業をいたしております。

 

3Dクリアファイルで色あわせをご遠慮する理由は、

3Dクリアファイルはレンズシートで制作するため、見る場所、見方によってかなり色が変わってしまうので

後々のトラブルでいやな思いをお客様にしてもらいたくないからです。

ですのであらかじめ、色合わせは難しいですよ、というお話を差し上げております。

 

でもこのお客様は、こう見たときに、こう見えている状態での色あわせといった風に、

レンチキュラーレンズシートの特製を理解した上での、なるべくの色あわせというスタンスで考えてくださっており、

またクライアント様にもご説明をしていただける方なので、

私も、がんばってみようという気持ちになりました。

 

今回の色合わせの下作業は、

色合わせ用に画像を出力いただいた紙が、上質系の紙でかなり色が濃く出る傾向にありましたので、

4色の網点をすべて強めに修正を入れました。

というのは、このままではレンズに印刷するとかなりあっさりになるからです。

で、修正前と修正後が一目でわかるように、

両方とも校正をとって比較出来るようにしました。

 

実機校正でどうでるか、結構心配だったのですが、

結果上手くゆきました。大変良かったです。

色については直し無しということで、本番を進めてよいといってもらえ、

大変嬉しかったです。

 

いよいよ来週は本番。

このお客様は、本番の色決めも、立会い校正でしていただくことになっており、

ぴたりといい色を出して、ほめていただけるように進めたいと思います。

 

よい3Dクリアファイルを、お客様のために!

 

20110415PPFACTORY桜木

今日は、3Dクリアファイルのつくり方(4~最終回)「実機校正のご提出から、量産、出荷まで編」をご説明します。「3Dクリアファイルのつくり方」シリーズの最終回です。

 

前回は、3Dクリアファイルの前後関係サンプルの製作とご提出までご説明いたしましたが、その次の工程が実機校正です。お客様に前後関係サンプルを確認していただいてなんの問題もなければ、そのままのデータで、引き続き実機校正を行い、サンプルをご提出します。このサンプルは通常の印刷物でいう「校正」にあたり、本番印刷時の印刷見本になります。前後関係サンプルの段階で前後関係の入れ替えのご依頼や、クリアファイルの中で3Dを強調する部分のご指定をいただいた場合は、そのご依頼事項を反映するようにデータを修正してから、実機校正を実施します。3Dクリアファイルの実機校正は、すべて本番と同じ条件で行います。つまり、本番と同じ印刷機で、本番と同じ材料に、本番と同じインクと色数で印刷します。なので、でてくるサンプル(見本)は、本番と同じ3D感のものになります。なお、ご指定がない場合はシートの状態でご提出いたします。前後関係のOKから、実機校正のご提出まで1週間程度となります。

 

ご注意事項として、実機校正のあとは、前後関係の変更や、3Dを強調する部分の変更、つまり大幅なデータの変更には、改めて①前後関係の製作→②実機校正の実施の手順が必要になりますので、作業時間と追加料金が発生します。小規模なデータの変更、つまり前後関係の確認時に指示していただいた内容の方向性の中で、「もうすこし強調する」とか、「強調しすぎたので戻す」程度の微調整は実機校正後でも可能です。

 

お客様には事前にご説明をされていても、「やっぱり前後関係を変えたいな」とか、「(前後関係では言ってなかったけど)この部分をもっと出っ張らせてほしい」とか、この時点から「ああしたい」「こうしたい」のご要望がでることはよくあることです。ある意味しかたのないことであると思います。また、「実際に直したあとの状態も見たい」とご要望されるお客様も結構いらっしゃいます。実際にわたしが担当した案件だけでも、2回目の実機校正を実施した案件が2件ございます。この部分は、追加料金が発生するため、トラブルが発生しやすいポイントですので、2回目の実機校正をおこなうには追加料金(10万円)が発生してしまうことを事前にご説明しておくことは、とても大切であると思います。このような事例でお客様によくおこるお困りごととしては、納期がない中で実機校正をもう一度したい(通常1週間必要)、さらに悪いことに予算をみてなかったので、予算が下りるまで進められない・・・、困った困ったどうしよう(泣)というパタンです。こういった場合、実際には、上の人が気軽に言っただけ(もしできるならこうしてほしいけど、お金がかかるならやらなくてもまあいっか、程度)のある意味どうでもよい直し要望を、間に入った担当の方が過大に受け止めてしまって、悩まれていることがよくありますので、その辺は空気をよんで対応されることも必要かな?と、心の中で思ったりいたします。

 

さて、実機校正が校了となりますと、なるべく早い段階で量産に入ります。ともうしますのは、実機校正をした状態に近い状態で量産をすればするほど、より実機校正に近い状態で製品が出来上がってくるからです。実機校正から時間がたちますと、温度・湿度の影響でレンチキュラーシートがほんのちょっぴりずつ微妙に伸び縮みし、レンズピッチも微妙に変わってゆきます。このピッチの変化は人間の目で見るとわからない程度なのですが、精密な印刷精度が要求されるレンチキュラーシートの印刷では死活問題で、3D感、ボケ具合に大きな影響を及ぼします。伸び縮みしたシートを使いますと、実機校正で設計したデータでは対応できないため、レンズピッチを再測定し、データの再設計を行って(予算が許されれば実機校正を再実施して)量産開始することになります。お金と時間が無駄にかかりますのでできれば省略したい工程ですので、「良品製造のためには、すぐに量産開始」をお願いしております。

 

じゃあ、再版がかかった場合はどうするの?ということなのですが、この場合もレンズピッチを再測定し、データを再設計させていただいてから再版を実施します。再版時の再測定と再設計はサービスでさせていただいておりますので、お客様のご負担はとくにございませんが、再測定と再設計のため、通常の印刷物の再版よりもすこし納期がかかります。

 

はなしを戻しまして、量産ですが、レンチキュラーレンズへの印刷が終わりますと、引き続き、3D状態の検査工程、打ち抜き加工の工程、超音波溶着加工の工程・出荷前の検査工程を経て、出荷となります。この工程は、検査工程が1つ多くなることを除けば通常のクリアファイルと同じですので、製品は最短4営業日目から出荷となります(数量、アッセンブリーにより出荷日程が変わります)。

 

量産については「あれ、もうできちゃったの?」という感想をもたれるお客様が多いようです。3D商品は、3Dクリアファイルに限らず、入稿から見本だしまでの創りこみの期間のほうが手間も時間もかかる商品で、量産品を作り始めてしまうとあっという間の商品です。

 

以上、駆け足ではございましたが、5回シリーズで、「3Dクリアファイルのつくり方」をご説明いたしました。ざっくりとではございますが、入稿から納品までおよそ1ヶ月程度という目安であるということと、製作にあたっては、入稿データはフォトショップが使える方であればで簡単に創れる商品であること、前後関係サンプルでのチェックと刷り合わせが、後々の余計な出費の防止と納期の厳守において重要ポイントであることが、ご説明の要点です。

(20101231PPFACTORY桜木)

 

 

ppfactoryの営業は29日からお休みに入りましたので、忙しさにかまけてお休みをいただいておりました「3Dクリアファイルのつくり方」の連載を再開いたします。前回までで入稿とそれにともなう作業が終わりましたので、今回は「前後関係サンプルの製作」です。

 

3Dクリアファイルの入稿が無事に完了いたしますと、「前後関係サンプル」の製作に入ります。3Dクリアファイルでは、お客様の希望する絵柄の前後関係はレイヤーわけによって入稿時にご指定していたいておりますので、それが希望通りにできているかを確認するために、「前後関係サンプル」を作成し、提出させていただきます。ですので「前後関係サンプル」の製作までが、3D変換費用(基本料金5万円)に含まれます。入稿後だいたい1週間ほどでご提出となります。

 

3Dクリアファイルの前後関係サンプルはどういったものかというと、製品製作に実際に使う材料(レンチキュラーレンズ)に、インキジェットで絵柄を3Dで印刷したシートになります。厚みも本番と同じです。だから切って折ればそのままクリアファイルになります。3Dのできばえとしては本番の60パーセントぐらいになります。この前後関係サンプルの特徴は、レイヤー効果(奥行き感)についてはそれなりにわかりやすく表現されますが、フルデプス効果(でっぱり感)についてはだいぶぼやけた感じに表現されます。この違いは、インキジェットとオフセットの解像度のちがいです(弊社のオフセット印刷ですと400線以上での高細線印刷となります)。総合すると60パーセントぐらいの出来なので「見本」とか「サンプル」ではなくて「前後関係サンプル」と呼んでいます。これをお客様にご提出して、前後関係に誤りがないかとか、より3Dに見せたい部分はないかとか、ご意見をいただいて、技術者がそれに沿うようにデータを修正いたします。

 

このときお客様には、前後関係の変更や、レイアウトの変更、3Dをより強調したい部分の指定をしていただくのですが、私どもからも、「過去の経験によりますと、このデザインはこう変更するともっと見栄えがよくなりますよ」といった技術者からのアドバイスをあわせてお伝えしております。こうすることでお客様が頭の中でイメージしていたものを、具体的にアウトプットされた状態でで確認・発展していただき、あわせてお客様と弊社のイメージのすり合わせ、方向性の一致がなされます。一般の印刷物にはこのチェック工程はありません。「前後関係」「3Dにしたいポイント」という一般の印刷物にはない表現ができる3Dクリアファイルに特徴的なチェック工程となります。

 

この「前後確認サンプル」がOKになりますと、いよいよ実機校正と呼ばれる工程に進みます。3Dクリアファイルのお見積もりには、実機校正代が1回分含まれておりますが、実機校正をしてから「あー、前後関係まちがってデザインしちゃったから直したい・・・。」とか、「やっぱり3Dを強調したいポイントを変えたいんだけど・・・。」となりますと、データ修正料(時間請求)と実機校正代(10万円)が追加で必要になりますので、「前後関係サンプル」の段階でしっかりとご確認いただくようにお願いしております。

(20101230PPFACTORY桜木)

 

3Dクリアファイルの製作、今回はデータ変換編その2 3Dに見えるための属人的な(経験値が成果に反映する部分の)データ変換ノウハウについてご説明します。

 

わざわざ「属人的」なんて難しい書き方になりましたが、3Dクリアファイルの画像設計は、設計者のセンス、技量でだいぶ異なったものになってしまうのが現実です。

 

この「属人的な技」が、弊社の3Dクリアファイルのノウハウの2つ目です。こればかりは、センスだけでなく、「どれだけたくさん3Dクリアファイルを創ったか?」による部分が大きいと思います。

 

さて3Dクリアファイルで3Dを表現する技術は、大きく分けてレイヤー効果とフルデプス効果があります。レイヤー効果は「奥行き感」、フルデプス効果は「手前へのでっぱり感」と覚えていただくと、イメージがわきやすいと思います。

 

3Dクリアファイルでメインで使ってゆくのはレイヤー効果で、アクセントな感じでフルデプス効果をつかい3D感を際立たせます。もし仮にフルデプス感だけで3Dを表現しようとすると、実はあんまり3Dな感じにならない傾向があります。これを改善するには、ポリゴンデータを作成していただいてより精密なフルデプスデータに変換して対応する方法がありますが、ポリゴンデータの作りこみは専門性が高いので普通の方にはちょっと難しいし、コストも大変であろうと思います。

 

というわけで、データの作成の仕方としてはフォトショップでも簡単にできるレイヤー効果を主としたデザインをしていただき、それに弊社の技術者がフルデプス効果をアクセントな感じにとりまぜ、さらにレイアウトを3Dに見えやすく再構成して3Dクリアファイルのデータに変換してゆきます。

 

この「3Dに見えやすく再構成する」というのがまさにノウハウの部分です。人間の目がある画像を見て「3Dだ」と認識するためにはいくつかのセオリーがあり、そのセオリーをはずしてしまったり、そのセオリーが成立しないようなレイアウトにこだわってしまうと「なんだかあんまり3Dっぽくないよね。」という仕上がりになってしまいます。0.43ミリのレンチキュラーレンズ(=ということはより3D表現できる能力が高いレンズ)で、セオリーをまったく無視した絵柄・レイアウトで作成した場合と、0.33ミリのレンチキュラーレンズ(=ということは、3D表現できる能力が低いレンズ)でセオリーを着実に守った絵柄・レイアウトで作成した場合には、実は後者のほうが抜群の3D感になります。

 

以上本日は「3Dクリアファイルの製作、今回はデータ変換編その2 3Dに見えるための属人的な(経験値が成果に反映する部分の)データ変換ノウハウ」をお伝えいたしました。

(20101220ppfactory桜木)

今日は、3Dクリアファイル製作の、入稿後の次のステップ、3Dデータへの変換のノウハウについてご説明いたします。 

 

3Dクリアファイル製作のために入稿していただいたデータは、そのままでは3Dに見えるように印刷されません。そこで、弊社の技術者が3Dデータに変換をします。この変換の仕方に、弊社の独自ノウハウのひとつがあります。

 

弊社の3Dクリアファイルは、PP(ポリプロピレン)でできています。通常3DクリアファイルはPETでつくられる場合が多いです。なのに弊社が3Dクリアファイルの素材にPPを選択している理由(=よい面)として、まずPPは、通常のクリアファイルと同じ素材であるということ。次にPETでつくられたクリアファイルにくらべて軽くなること。次にPETでつくられたクリアファイルよりやわらかくなること。次にPETでつくられた3Dクリアファイルより安くできることがあげられます。

 

それならば、どの会社もPPで3Dクリアファイルをつくればよいじゃない!ということになりますが、実際PPで精度のよい(3Dにちゃんとなっている)3Dクリアファイルを作れる会社はほとんどありません。もともと3Dクリアファイルを作れる会社自体少ないのですが、PPでやれる会社はさらに少ない、ということになります。その理由は、PPのよい点でもある、PPがPETよりやわらかいことに原因があります。

 

3Dクリアファイルの材料であるレンチキュラーシートは、かまぼこ状レンズが表面に一定間隔で並んでおり、レンズの中の光の屈折により、3Dに見える効果を発揮します。3Dデータ変換は、このレンズの間隔にあわせて、入稿されたデータを縦または横に細かく切り刻み、再配置する作業です。しかし、ここに落とし穴があります。データの設計段階で見積もっているレンズの間隔が、実際に印刷するときは、PPがやわらかいために伸びてしまい、設計とは違ったものになります。これにより印刷時に狙っている場所に、ただしい印刷ができず、印刷する場所が微妙にずれてしまうため、しっかりと3Dに見えるように印刷することが非常に難しいのです。

 

これに対し弊社の場合は、自社でレンチキュラーレンズを製造しておりますので、気温印刷機の状態、湿度その他により、レンズの幅がどういう風に変化が大方予想できます。また、レンズの状態を確認しながら設計ができますので、ズレが極小に収まります。「PPのかかえる問題点を製作の仕組みによって中和することができる」点が、弊社の独自ノウハウのひとつ目です。

 

多くの会社が3Dクリアファイルの素材としてPPを選択しない理由(悪い点)は、弊社はラッキーにもカバーできるため、PPを選択しているということになります。

 

次回はデータ変換編その2 3Dに見えるための属人的な(経験値が成果に反映する部分の)データ変換ノウハウについてご説明します。

(20101216ppfactory桜木)

 

今日は、3Dクリアファイルをつくるためのデータの作成方法を、ご説明します。3Dクリアファイルの入稿データはアドビのPhotoshopを使えばどなたでも作成可能ですので、ソフトを開いた状態でお読みくださると、わかりやすいかもしれません。

 

 さて、まず3Dクリアファイルのデータの仕様は、画像形式はPSD(またはEPS、TIFF、JPEG)です。画像モードは、RGB、CMYKのどちらでも大丈夫です。解像度、ここが重要ですが、仕上がりの原寸サイズで、300dpi以上で作成することが必要です。解像度がこれより低いと、製作をしたときに粗い感じに仕上がってしまうのでご注意ください。

 

 次に、3Dクリアファイルをつくるときは、レイヤー分をしたデータ(例:背景+木+人物+ロゴ 等)でのデータ作成をおねがいします。レイヤー構造を残したデータをPSD(AdobePhotoshop)形式のデータで入稿していただくと、価格面・スピード面でベストです。レイヤー構造が残っていないデータを3D化する、またはTIFFやJPEG画像ですと、「切り抜き」「画像の回り込み」(*3Dの場合は、正面から見えない部分も画像データとして印刷しておくことで、3D感を出します)の作業が追加発生し、この作業はけっこうやっかいなため、作業料金が別途必要になってしまいます(時間請求)。また、データ作成時に画像端の見切れている部分(Photoshopでの作業中に、「イメージ」→「切り抜き」の処理をしないと残ります)を残すことで、3D感を出すためのデータ変換に幅ができ、より3D感のあるクリアファイルに仕上がります(3Dクリアファイルを3Dデータに変換する際に、弊社メカニックが駆使できるテクニックの幅が広がります)。

 

 また、3Dクリアファイルのレイヤー数はどこまで大丈夫ですか?という質問がよくありますが、回答としては「無限に大丈夫です」という回答になります。ただし、一定の厚みの中にレイヤーを配置しますので、レイヤー数が多くなればなるほど、かえって奥行き感がなくなります(無限にレイヤーをすると、レイヤー同士の間隔が極小になりますので、「奥行きに差がない」ということになります)。また、標準タイプ(0.33ミリ厚)よりも、0.43ミリ厚のほうが、厚い分奥行き感が生じます。また、0.33仕様で作成した3Dデータを0.43仕様のクリアファイルに反映させることができるかというと、厚みが違うため焦点設定が異なることから、データは改めて組みなおすことになりますので、データ作成料は別途同じだけかかってしまいます。なので、事前にどちらで進めるか決めておく必要があります(標準は0.33ミリ厚のクリアファイルでの価格表示です。厚くなると値段も上がり、その分クリアファイルとしての使い勝手は悪くなりますが、3D感はUPします。3D感、クリアファイルとしての使い勝手(あとお値段)のバランスで行くと、0.33がオススメかな?と思います)。

 

 なお、「Photoshopのレイヤーの設定」についてですが、「描画モード」「不透明度」等のレイヤー効果は反映されませんのでご注意ください(「描画モード:通常」「不透明度100%」のみを使用したレイヤー構成で作成すると大丈夫です)。もし仮に設定が違っていて、いただいたデータがレイヤー効果が反映されていない場合は、弊社で修正いたすことができますが、これも結構厄介な作業なので、作業料金が別途発生してしまいますのでご注意ください。

 

 以上、少々駆け足になりましたが、ご説明でございました。次回は入稿以降の工程のご説明をいたします。

 

(20101215 PPFACTORY桜木) 

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