製作裏話
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お疲れ様です。

クリアファイルを作る際に経済ロットをご存知でしょうか?クリアファイルというか印刷業は大体そうなのですが、紙代自体は比例するのですが、印刷機などのお値段がさいしょにどーんっと入っており、その後緩やかに変化していくようになっております。

 

なので、クリアファイルも紙の印刷物もかなりの確率で所有する機械によって各会社の製造単価が違います。

難しい事はないのですが、最初にどのお客様を相手に売るかにより得意な分類がずれてきます。

 

弊社では、クリアファイル系の印刷が得意なサイズの材料を製造しており、ものすごいいきおいでクリアファイルが作られていきます。

ほんとにあっという間で印刷を待つ時間が無いものや、山が15分ぐらいでつみあがってしまう事があります。

 

そういった意味では逆に扱いにくい印刷機なのでした。

 

印刷機と一緒に色んな機能がすぐれている機械をしった きじま がおおくりいたしました。

お疲れ様です。

最近、クリアファイルのお見積りで印刷されていない素材に対しての加工がよく寄せられております。

「御社ですと、クリアファイルを素材から作っているし、余裕なんでしょ?」と思われるかもしれませんが、弊社は特定の加工までは独自の機械などを持っており得意なのですが、クリアファイルのあそこがこうで、こっちがあれで、そっちもそうして!といわれるとなかなか難しいものがございます。

弊社のクリアファイル工場は、少人数で型に対応した大型機を動かして検品などをしておりますので特別な作業をご依頼いただくと大体が手作業になってしまうためです。

もちろん、どんなご要望でも可能な限り応えさせていただいているのですが、折が沢山になると出来なかったりすると手作業が多くお値段が上がってしまうことなどもございます。

基本的な仕様においては高品質、短納期でご納品できるのですが、特殊になると高品質はもちろん保持できるのですが、納期に関しては少しご協力などをいただかなくてはいけないかもしれません。

 

クリアファイルの素材を二回折ってくっつけるだけと思われる方もいるとは思うのですがくっつけるときの圧力・間隔・厚みなどを計算して行っております。

 

なので、特殊な場合は少し多めに日にちをいただけたらと思っております。

 

お願いばっかりで申し訳ないとおもった きじま がおおくりしました。

こんにちは。

クリアファイル大好き人間PPFACTORY桜木です。          

 

今日は再生PETを使ったクリアファイル、再生PPを使ったクリアファイルと

エコマークについての小話です。

 

弊社はPPFACTORYという名のとおり、PPのクリアファイルが得意なのですが

(というのも、自社でPPシートを生産しているからです)

そのPPは再生率70%でも製造できることから、

工程がエコマークを取得していたりします。

(ちなみにPPバッグの工程もエコマークを取得しています)

 

*商品ではなく工程で取得するのがエコマーク、というのがポイントです。

 

そのつながりからなのか、再生PETでのクリアファイルのご依頼が結構ございます。

再生PETでクリアファイルをつくる場合、印刷適性&加工適性のある再生PETは供給が限られておりまして、

私は三菱樹脂さんのディアクレールエコというPETを愛用しております。

ディアクレルエコは回収PETボトルを利用した再生100パーセントPETを中芯として、

両側にプレーンのPETGをラミネートした3層構造で

オフセット印刷も折・溶着加工もOKで、かつ再生率は80パーセントでの商品です。

ただいかんせん需要がそんなにないものですから、生産は受注生産が中心でございまして、

在庫確認必要な商品ではあります。

(注文後1週間ぐらいで見本用、さらに1週間で本番用が、在庫があれば大阪から参ります。)

またディアクレールエコは、PETボトルを回収して製造しておられるのですが、

回収材は品質が均一ではないためフィッシュアイや色目ブレ、異物、厚み精度ブレが時折発生します。

この点はご愛嬌ということのようです。

(弊社の再生PPはフィッシュアイや色目ブレ、異物、厚み精度ブレ 刃はははhahahaははははhahaはNGとしておりますので、

まあ、それだけ再生PETの製造は難しいんですね~。)

 

このディアクレールエコを使った再生PETクリアファイルは、エコマークは使えないのですが、

数年前までは、「PETボトルリサイクル推奨マーク」というのを使えました。

と言うわけで、公にも認められた再生PETでございます。

最近は登録を継続されていないとのことで使えなくなっているのですが、

現在も品質的は変えていないので、このマークの基準を満たしておる商品です。

 

ですので、再生PETでクリアファイルをつくりたいときには、ディアクレールエコをご検討いただければ、と存じます。

また、再生PPでのクリアファイルでしたら、弊社の再生PPをご指名いただけると、大変ありがたいです。

 

以上再生材料でもクリアファイルをつくれる桜木がお伝えしました。

 

20110921PPFACTORY桜木

 

 

 

 

 

お疲れ様です。

クリアファイルの情報を整理している真っ最中でございます。

このサイトが出来たときにはクリアファイルの情報を出来る限り多く乗せる事で理解してもらう事が大切だと思っておりましたが、今の市場や、お客様の意向を見ますとただ情報を渡すだけではなくどう理解していただく可などを十分に理解する必要があると感じております。

 

今日はまだ3Dクリアファイルのページしか更新できていませんが・・・。

毎日がんばって全ページをいい状態を保てるよう更新していきたいと思っております。

 

このサイトでもやはりクリアファイル系のページの回覧数が多いためそのあたりを優先して更新していきたいと思っております。

 

でも一番なのはこのページの商品についてもっと教えて!とお話いただけることがお互いに理解を深めるいい機会になると思っていますので一方的にお伝えするのではなく疎通できる状態でじょうほうとどけれたらなーっと思いました。

 

作業中の きじま がお送りしました。

3Dポスター

いつもお世話になっております。
フルカラークリアファイル大好き人間【ppfactory】桜木です 。 

 

今日はお客様と3Dのポスターについて雑談しました。

このお客様は熱血系の方で、きっぷがよく、私はこの方のそういうところが大好きです。

 

さて、3Dのポスターは、3Dのクリアファイルをつくるのとやり方は同じです。

材料はPP(ポリプロピレン)かPETでつくりますが、ポスターとして私が気になるのは重さです。

PPの比重は0.91なのに対し、PETは1.41ですので、PETのほうが重くなります。

 

また、大きさは縦のA2までは出来るのですが、それ以上の大きさはまだやったことがありません。

印刷的にはA全までは弊社の印刷機で作れますが、

シートがありませんので特注生産になります。

挑戦したいなあとは思うものの、なかなか予算が取れず・・・、というところです。

A全以上の大きさとなると、レンチキュラーレンズの厚みをもっとあげることが必要なのと、

印刷機も大きいサイズの、精度のよい6色印刷機が必要です。

弊社ですとB倍サイズが印刷できる6色印刷機がありますので、

理論的には可能なので、いつかはやりたいなあと思うところです。

 

サイズを大きくした場合に気をつけなければいけないのは、

3Dポスターは紙に比べて重くなるという点です。

A全サイズですと、厚みが0.4ミリのレンズで作った場合、

PPのレンズで1枚182グラム、PETですと280グラムになります。

10枚で1.8kg、2.8kgですね。結構重い。

280グラムとなると、通常のA4クリアファイル換算で11枚になりますので

ポスターを貼るときは画鋲でしっかりとめる必要がありそうです。。

 

あと気をつける点としては、3Dポスターの場合はクリアファイルと同じで、

薄くて透明に近い素材で作っているのでポスターを貼る場所に色がついていると

強い色の場合その色を拾ってしまいます。

それがいやな場合は、

レンチキュラーレンズにスチレンとか厚紙とかを貼る必要がありますが、

今度は反りの問題が起こりますから、解決方法が必要です。

経験的にはユポを張るのが一番良いです。

 

新しいものは

つくろうとするといろいろ問題点が出てきて面白い。。

 

新しいものを作る楽しさって、こういうところにあるんですよね。

 

20110412PPFACTORY桜木

いつもお世話になっております。
クリアファイルの専門工場【ppfactory】桜木です  

 

本日はクリアファイルのスベる話をおひとつ。

クリアファイルは時間がたつと、だんだん劣化してゆきます。

具体的には、表面に白い粉がついた状態になります。

これをブリードアウトといいます。

クリアファイルの素材はポリプロピレンですが、

ブリードアウトとは、

ポリプロピレンを造るときにつかう各種添加剤が経時により凝集固化しフィルム表面に浮き出して粉化する事です。 

色は白で、大きさは小さいものから40ミクロン程度のものまでいろいろです。

 

気にしない人は気にしませんが気になる人は気にしますので、

1年間保管して順次使用します!というようなお客様には、

念のため事前にお話しておくのがよろしいかもしれません。

 

ブリードアウトについて詳しいページを見つけました

コチラ↓

http://www.po-aso.co.jp/encyc/page/10.html 

アソー株式会社様のHPなのですが、とてもわかり易いです!

 

20110329PPFACTORY 桜木

クリアファイルにペラ(チラシ等)を挟んだり、取説と一緒にOPP袋にアッセンブリーしてしばらくすると、クリアファイルが大きく反って商品として使えない状態になってしまうことがあります。クリアファイルが、角側から、くるんと外に向かって大きく反ってしまうのです。確率としては、感覚論ですが、100のクリアファイル案件があったら、そのうち2件くらいでしょうか。反るときには、全部のうち何枚かが反ってしまうのではなく、全数が反ってしまいます。このことを業界では「花開く」と呼んだりします。


この反りは、クリアファイルのカール現象と呼ばれます。インクメーカーさんに確認したところ、原因はPPシートが、ペラの印刷に使われているインクの揮発性有機化合物(VOC)を吸収して、膨らんでしまうためとの事。PP(ポリプロピレン)一般に言える化学的性質なので、どのクリアファイルにでも起こりうることですから、ご注意が必要です。


簡単に言うと、クリアファイルに、印刷したばかりとか、ベタが多くよく乾いていないペラを挟み込んだり、OPP袋に一緒に入れたりすると、インクとPPシートの間で化学反応が起こり、PPの内側が伸びて、結果、大きく反ってしまうのです。


この場合、クリアファイルのPPが変質してしまっているので、一回反ってしまったら戻りません(泣!)ので、つくり直しとなります。納期は間に合わないわ、出費は2倍になるわ、となってしまいますので、事前に対策をしておくことが必要です。
他社さんでも、似たような記事がございましたのでご紹介です(わかりやすい説明です!)

関連記事:印刷の通販グラフィック様のページ(ページの下のほうに記事がありました)
http://www.graphic.jp/lineup/offset/clearfile.php


対策としては、インクメーカーさんによると、VOCを含まないインク(例えばUVインク)でペラや取説を印刷するとよいとの事。それから、ペラや取説は事前につくって、よく乾かしておくこと。先のお客様からご支給いただく場合も、出来ればUVインキで印刷したものでお願いできたほうがよいですし、とにかくしっかり乾かしてから支給していただくように、事前にお伝えしておく事は絶対に必要なステップであると思います。


とにかく、クリアファイルに何かを挟むときは、注意、注意です。


クリアファイルメーカーのPPFACTORYといたしましては、先のお客様に、事前に、できればやんわりほんわかに、でも危険なことは危険ですよとお伝えしておく事をオススメいたしております。

そうなってから言われたら、気分悪いですものね。

(20110115ppfactory中島)
 

今日は、3Dクリアファイル製作の、入稿後の次のステップ、3Dデータへの変換のノウハウについてご説明いたします。 

 

3Dクリアファイル製作のために入稿していただいたデータは、そのままでは3Dに見えるように印刷されません。そこで、弊社の技術者が3Dデータに変換をします。この変換の仕方に、弊社の独自ノウハウのひとつがあります。

 

弊社の3Dクリアファイルは、PP(ポリプロピレン)でできています。通常3DクリアファイルはPETでつくられる場合が多いです。なのに弊社が3Dクリアファイルの素材にPPを選択している理由(=よい面)として、まずPPは、通常のクリアファイルと同じ素材であるということ。次にPETでつくられたクリアファイルにくらべて軽くなること。次にPETでつくられたクリアファイルよりやわらかくなること。次にPETでつくられた3Dクリアファイルより安くできることがあげられます。

 

それならば、どの会社もPPで3Dクリアファイルをつくればよいじゃない!ということになりますが、実際PPで精度のよい(3Dにちゃんとなっている)3Dクリアファイルを作れる会社はほとんどありません。もともと3Dクリアファイルを作れる会社自体少ないのですが、PPでやれる会社はさらに少ない、ということになります。その理由は、PPのよい点でもある、PPがPETよりやわらかいことに原因があります。

 

3Dクリアファイルの材料であるレンチキュラーシートは、かまぼこ状レンズが表面に一定間隔で並んでおり、レンズの中の光の屈折により、3Dに見える効果を発揮します。3Dデータ変換は、このレンズの間隔にあわせて、入稿されたデータを縦または横に細かく切り刻み、再配置する作業です。しかし、ここに落とし穴があります。データの設計段階で見積もっているレンズの間隔が、実際に印刷するときは、PPがやわらかいために伸びてしまい、設計とは違ったものになります。これにより印刷時に狙っている場所に、ただしい印刷ができず、印刷する場所が微妙にずれてしまうため、しっかりと3Dに見えるように印刷することが非常に難しいのです。

 

これに対し弊社の場合は、自社でレンチキュラーレンズを製造しておりますので、気温印刷機の状態、湿度その他により、レンズの幅がどういう風に変化が大方予想できます。また、レンズの状態を確認しながら設計ができますので、ズレが極小に収まります。「PPのかかえる問題点を製作の仕組みによって中和することができる」点が、弊社の独自ノウハウのひとつ目です。

 

多くの会社が3Dクリアファイルの素材としてPPを選択しない理由(悪い点)は、弊社はラッキーにもカバーできるため、PPを選択しているということになります。

 

次回はデータ変換編その2 3Dに見えるための属人的な(経験値が成果に反映する部分の)データ変換ノウハウについてご説明します。

(20101216ppfactory桜木)

 

 クリアファイル印刷用に、PPFACTORYでは、0.2ミリ半透明の自社製のPP(ポリプロピレン)シートを製造しております。
そのほか、3Dクリアファイル用のレンチキュラーシート、再生率70パーセントのエコマーククリアファイル用PPシート、A4オリジナル10ポケットクリアブック用シート(高透明の0.4ミリ高透明シート)も自社製シートを製造しています。
クリアファイル用のシートを自社で製造するようになって、7年目になります。

 

 オリジナルクリアファイルを製造するメーカーにとって、そもそもPPシートは、PPシートの専業メーカーさんから購入するもののようです。PPFACTORYも最初はそうでした。クリアファイルのメーカーは、ファイル加工にオリジンを持つメーカーさんと、印刷屋さんにオリジンをもつメーカーさんに分かれますが、いずれにせよ材料のPPシートは他社から購入するのが通常です。

 

 ではなぜ、PPFACTORYは自社でクリアファイル印刷用PPシートを製造することになったのでしょう?それは、ものすごく単純な理由からです。
 

 理由は、「当時(20年前~10年前ぐらい)、UVオフセット平台印刷では、PPシートが印刷しにくかったので、UVオフセットで印刷しやすいPPシートがほしかった。」からです。

 

 前回も書きましたように、当時のPPシートはオフセット印刷をすることを主目的として設計されてはいませんでしたので、印刷しにくいのは当然です。インクが密着しなかったり、静電気が発生して機械にシートが入らなくなったり、印刷をするたびに、何かしらのトラブルにおびえながら、おっかなびっくり印刷をしておりました。

 

 そうこうするうちに、「印刷しにくいPPシートは、どうすれば印刷しやすくなるか?」というノウハウやアイディアが、だんだんと社内に蓄積してゆきました。自分たちでどうにもならない材質の部分は、材料メーカーに改良のお願いをしたり、インクメーカーに相談にのってもらったりしました。

 

 そんな日々をすごしながら、ある日ふと気がついたのが、「PPシートを自社で創ればいい。最初はできの悪いシートかもしれないが、印刷側からのフィードバックが早い分、悪い点もすぐ改良ができる。とすればよいシートになってゆくスピードも速いはず。」ということでした。

 

 とはいうものの、シートの作り方はまったくわからなかったので、基礎から考えて、機械も自作の機械でなんとか製品化したのが、7年前のことです。

 

そして7年がたち、通常のクリアファイル用のシートのみならず、今では再生PPをつかったエコマーク対応クリアファイル用のPPシートや、3Dクリアファイル用のPPレンチキュラーシートまで自社で製造できるようになり、今に至ります。

 

 以上、PPFACTORYのクリアファイル用印刷シート製作の裏話でした。

 

関連商品ページへのリンク

 

A4 A6 A5クリアファイル

 

マジックファイル

 

3Dクリアファイル

 

エコマーク仕様クリアファイル

 

クリアファイル付PPバッグ

 

超ミニクリアファイル

 

(20101206PPFACTORY桜木)
 

PPFACTORYのクリアファイルは、自社製のPPシートに、最新のUVオフセット印刷機で印刷されますが、本日はその印刷の歴史についてお話いたします。

 

現在クリアファイルの印刷は、通常オフセット印刷、あるいはシルク印刷で行われます。フルカラーの印刷ならばオフセット、ロゴのみや隠蔽製の高いベタ、ラメ加工をしたいときはシルク印刷で行われる例が多いです。そのほかに、箔押しやフォイルを使ってメタリック感を出す印刷加工があります。

 

しかしクリアファイルがオフセットで印刷されるのが普通のことになったのは、実はこの10年ぐらいの比較的新しい出来事です。

 

なぜかというと、クリアファイルを印刷するオフセット印刷機は、UV乾燥方式のオフセット印刷機でなければまずNGだからです。そしてUVオフセット印刷機が普及したのが、この10年ぐらいの出来事なのです。

 

それまでは、シルクと箔の全盛時代でした!!

 

さて、PPFACTORYの工場でUVオフセット印刷が始まったのは、さらに10年前の1990年代初頭のことです。まだUVオフセット印刷がまったく普及していなかった、今から20年前の出来事です。当時は油性のオフセット印刷機に、無理やりUV乾燥装置を取り付けて印刷することから始まりました。

 

まさに業界の魁!でした(チャレンジャーとも言う)。

 

しかし、先駆者は必ず苦労をするもの、機械は無理やりの改造品、UV印刷用インクも当時は油性に比べると発色が悪い&不安定で、印刷技術者の腕でなんとかするという悪戦苦闘の日々でした(まあ、そういうことがあるから印刷の腕前が上がるのですけれども・・・。)PPシートも印刷すると、どうしてもキズやら密着やらが悪く、現在の基準からするといまいちなものでしたが、それでも当時は印刷自体できるところがなかったので、重宝がられていたようです。

 

でも、油性オフセット機を無理やり改造してなんとかするのも限界がありますので、PP向けのUVオフセット印刷の専用機を導入することになります。でも日本の印刷機メーカーもまだそういう機械はまだ製造していなかったので、開発してもらうことになりました。そうして出来上がったのが、世の中にはまだない、PPが、慣れている人にはさほど難しくなく、安定して、色数が8色印刷できる(当時は夢の)UVオフセット印刷機です。プロトタイプモデルとして開発された本機が、PPFACTORYの工場で実戦投入され、そのデータがフィードバックされて量産機の設計に反映されるという流れが、当時はあったようです。

 

これが今から10年前ぐらいの出来事です。

 

その後PPFCTORYの工場には、第2世代、第3世代の(当時最新鋭)のクリアファイル印刷専用オフセット印刷機が導入され、現在は第4世代の最新鋭機械「11色が印刷できるクリアファイル専用UVオフセット印刷機」がクリアファイルの印刷を行っています。

 

まあこうして、クリアファイル印刷における機械的な問題は解決されたのですが、次なる開発テーマが急浮上します。

それは「じゃあ次は、クリアファイル用のPPシートを自社開発せよ!」です。

 

そのお話は、また別の機会に・・・。

 

(PPFACTORY桜木)

製作裏話 その1

 

3Dレンチキュラー印刷でPSPのスリーブケースをつくる

スリーブケースは、ゲームやDVD、CDの外箱の一種で、上面と下面が空いていて、側面4面がある箱です(横が2面空いている場合もあり)。紙でつくられる事が一番多いですが、中の商品を目立たせたい場合などはPETやPP(ポリプロピレン)でつくる(クリアケース)ことも結構あります(PETとPPでは、透明度はPETのほうがあり、やわらかさはPPのほうがあり、軽さはPPのほうが軽く、お値段はPPのほうが安くなります。シートの厚みは0.3ミリぐらいが多いです)。今回のご依頼は、ノベルティとして考えているので、さらに目立ったものにしたく、スリーブケースを3Dレンチキュラーでつくり、PSPソフトの予約特典ノベルティとしたいという内容でした。

 

レンチキュラーレンズの場合、ケースの中が透けて見えるということは必要ありませんので、あとは重さとやわらかさと値段なのですが、あまりこだわりがないということでしたので、より安く上がるPP製のレンチキュラーレンズ0.3㎜を用いての製作となりました。
レンチキュラーレンズはレイヤー3Dのほかに、フルデプス、モーフィング、チェンジング、アニメーションといった効果が表現できますが、レイヤー3Dとフルデプスの場合と、チェンジングとモーフィングの場合では、レンズ方向が逆目となり、一緒に表現をすると効果が中途半端になります。今回のご依頼は「胸」と「指」が前に出ている3Dとのご要望でしたので、レイヤー3Dとフルデプスを併用することになりました。
 

スリーブケースをつくる場合(三方背などのクリアケースなども同じですが)、中身に「ぴったりしっくり」くることが求められます。この「ぴったりしっくり」は感覚的な部分が大きいので、中身を借りて実際に見本をつくり、事前にお客様にOKを頂くことが大切です。微妙なサイズ調整は現場の感覚的な機械調整でまかないますので、サイズだけで追わず、見本を実際につくってそれに合わせるという作業をしないと、思わぬ失敗をすることがあります。お手間をかけてしまうのですが、今回も事前に中身をお借りして見本作製をいたしました。
今回のスリーブは、中身の絵柄がなるべく透けて見えないようにとのご要望でしたので、印刷はUVオフセットだけではなく、シルク白の2度刷りを施して、隠蔽性を高めました。この副次効果により、中のすべりが良くなったため、スリーブはややきつめに製作するように変更し、見本出しを行いました。また、このシルクはインキが堅いので、仕上がり一杯に印刷すると加工工程で割れますから、若干小さめに印刷することと、折筋部分には目立たないように計算した上で印刷をしない部分をつくっておくなどの工夫をしてすすめました。
 

レイヤー3Dや擬似デプス、チェンジングやモーフィングなどのレンチキュラー印刷では、製版用のデータは事前に絵柄ごとにレイヤー分けをしていただいて、絵柄の順番指定とともにご支給いただきます。特に背景部分は、ほかの絵柄で実際には隠れる部分の絵柄も入ったデータを頂く必要があります。しかし実際には、背景の前に複数のキャラクターが並ぶという絵柄の場合、キャラクターのいる位置の画像を抜いた背景データが支給されることはままあります。この場合、こちらで埋める作業をすると別途お金がかかりますので、いったんお戻しして改めてデータを頂くのですが、今回は戻していると間に合わないため、当方で埋める作業をさせていただきました。

 


余計なお金を使っていただくことにもなり、この辺のところは実際に作業をしたことがないとわかりにくい部分なので、しつこいといわれるぐらいに丁寧な説明でも、申し上げることが必要だなと反省した点です。
 

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