2011年01月15日
ポリプロピレンとVOCの裏話
クリアファイルにペラ(チラシ等)を挟んだり、取説と一緒にOPP袋にアッセンブリーしてしばらくすると、クリアファイルが大きく反って商品として使えない状態になってしまうことがあります。クリアファイルが、角側から、くるんと外に向かって大きく反ってしまうのです。確率としては、感覚論ですが、100のクリアファイル案件があったら、そのうち2件くらいでしょうか。反るときには、全部のうち何枚かが反ってしまうのではなく、全数が反ってしまいます。このことを業界では「花開く」と呼んだりします。
この反りは、クリアファイルのカール現象と呼ばれます。インクメーカーさんに確認したところ、原因はPPシートが、ペラの印刷に使われているインクの揮発性有機化合物(VOC)を吸収して、膨らんでしまうためとの事。PP(ポリプロピレン)一般に言える化学的性質なので、どのクリアファイルにでも起こりうることですから、ご注意が必要です。
簡単に言うと、クリアファイルに、印刷したばかりとか、ベタが多くよく乾いていないペラを挟み込んだり、OPP袋に一緒に入れたりすると、インクとPPシートの間で化学反応が起こり、PPの内側が伸びて、結果、大きく反ってしまうのです。
この場合、クリアファイルのPPが変質してしまっているので、一回反ってしまったら戻りません(泣!)ので、つくり直しとなります。納期は間に合わないわ、出費は2倍になるわ、となってしまいますので、事前に対策をしておくことが必要です。
他社さんでも、似たような記事がございましたのでご紹介です(わかりやすい説明です!)
関連記事:印刷の通販グラフィック様のページ(ページの下のほうに記事がありました)
http://www.graphic.jp/lineup/offset/clearfile.php
対策としては、インクメーカーさんによると、VOCを含まないインク(例えばUVインク)でペラや取説を印刷するとよいとの事。それから、ペラや取説は事前につくって、よく乾かしておくこと。先のお客様からご支給いただく場合も、出来ればUVインキで印刷したものでお願いできたほうがよいですし、とにかくしっかり乾かしてから支給していただくように、事前にお伝えしておく事は絶対に必要なステップであると思います。
とにかく、クリアファイルに何かを挟むときは、注意、注意です。
クリアファイルメーカーのPPFACTORYといたしましては、先のお客様に、事前に、できればやんわりほんわかに、でも危険なことは危険ですよとお伝えしておく事をオススメいたしております。
そうなってから言われたら、気分悪いですものね。
(20110115ppfactory中島)
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